米個人資産運用の顧客満足度ランキング 第1位は「J.P. モルガン・ウェルス・マネジメント」――J.D. パワー 2022年米国個人資産運用デジタル・エクスペリエンス顧客満足度調査℠で、そのような実態が明らかになった。
米ミシガン州トロイに本社を置くJ.D. パワーは、消費者のインサイトやアドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーである。50年以上にわたり、ビッグデータやAI(人工知能)、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する情報を提供している。
ちなみに、本調査は年に1回、自己決定型(※1)とフルサービス型(※2)の個人投資家を対象に、個人資産運用モバイルアプリとウェブサイトを含むデジタルチャネルに対する満足度を測定している。4回目となる本年調査では、調査設計の変更が行われている。
今回は、J.D. パワー 2022年米国個人資産運用デジタル・エクスペリエンス顧客満足度調査℠の概要をお届けする。
J.D. パワー 2022年米国個人資産運用デジタル・エクスペリエンス顧客満足度調査℠
個人投資家にとってモバイルアプリやウェブサイトは、ますます投資の見直しや取引・リサーチのために最初に参照するリソースとなりつつある。本年調査では、この傾向は特に若い投資家において顕著で、証券会社の資産運用モバイルアプリを頻繁に利用するほど総合満足度が著しく高くなり、ブランド支持もより強くなっていることが判明した。本調査のポイントは以下の通りである。
モバイルアプリの満足度がウェブサイトを50ポイント上回る
米国の資産運用モバイルアプリの総合満足度は731ポイント(1,000ポイント満点)で、資産運用ウェブサイトの681ポイントを50ポイント上回る結果となった。この差は、主に若い投資家の間でモバイルアプリがより強く好まれていることに起因する。
資産運用モバイルアプリの総合満足度はY世代間で最も高い
世代別に見ると、資産運用モバイルアプリに対する総合満足度はY世代(※3) 間で最も高く、平均スコアは760ポイントとなり、次いでZ世代の720ポイントとなった。一方、X世代、ブーマー世代、プレブーマー世代の顧客は証券会社のウェブサイトを利用する傾向が高く、資産運用モバイルアプリに対する満足度は低い。
優れたモバイルアプリはブランドロイヤルティを強化する
総合満足度が高いモバイルアプリはブランド支持率も高く、NPS®(ネット・プロモーター・スコア®)(※4) は83ポイント(-100~+100ポイント)となった。これは、満足度の高いウェブサイト利用者の各ブランドに対するNPS®スコアが73ポイントとなったことと比較しても優位であると言える。
デジタルチャネルは「フルサービス型投資家」にとっても重要
一般的には資産運用モバイルアプリやウェブサイトは、主にセルフサービス型投資家向けに設計されている。しかしながら、この認識とは裏腹に、総合満足度は、証券会社が提供するデジタル・ツール(ファイナンシャル・アドバイザーとより効率的かつ便利につながるツールなど)を利用する傾向が高いフルサービス型投資家の間で高くなっている。
顧客満足度ランキング 第1位は、J.P. モルガン・ウェルス・マネジメント
なお、本調査の顧客満足度ランキングの上位3社は、以下の通りとなった。
第1位:J.P. Morgan Wealth Management (J.P. モルガン・ウェルス・マネジメント)(728ポイント)
第2位:Charles Schwab (チャールズ・シュワブ)(726ポイント)
第3位:Edward Jones (エドワード・ジョーンズ)(710ポイント)
証券会社は、モバイルアプリの改善を続けることに注力する必要がある
J.D. パワーのウェルス・インテリジェンス部門のシニアディレクター、マイク・フォイ氏は、今回の調査結果について、「若い投資家を惹きつけ、引き留めたい証券会社は、モバイルアプリの改善を続けることに注力する必要がある」と指摘。さらに「モバイルアプリは実際に、現代の個人資産運用の顧客体験の中心になりつつあり、それはセルフサービス型投資家だけでなく、ファイナンシャル・アドバイザーからアドバイスを受ける投資家にも当てはまる。アプリユーザーは、より頻繁にそのブランドと関わるうえ、好ましい顧客体験をした場合には、そのブランドを推奨する可能性も非常に高くなる」とコメントしている。■
(La Caprese 編集部)