記事内に広告が含まれています。
スポンサーリンク

ゲオホールディングス、営業利益は43.8%増。株価は年初来高値、生活防衛策としてリユース需要拡大

ゲオホールディングス,株価,上昇,理由
(画像= La Caprese)

2023年8月23日、東京証券取引所でゲオホールディングスの株価が一時2,615円まで買われ、年初来の高値を更新した。今年3月23日の安値1,515円から5カ月で72.6%の上昇である。

ゲオホールディングスは、メディアショップ「GEO」やリユースショップチェーンストア「セカンドストリート」などを全国展開する企業の持株会社である。DVDやCD等のレンタルのほか、中古テレビゲームや古本、古着なども取り扱っている(店舗によっては新品も扱う)。株式市場では、ロシアのウクライナ侵攻に端を発した原燃料価格の高騰や、為替の急速な円安進行等による物価上昇を背景に、「生活防衛銘柄(リユース関連銘柄)」に関心を寄せる動きもみられる。ゲオホールディングスもその一角として人気化している側面もあるようだ。

最近では、ゲオホールディングスが8月10日に発表した2024年3月期・第1四半期(2023年4月1日~2023年6月30日)の連結業績が大幅な増収増益を示したことも刺激材料となった(詳細は後述)。今回はゲオホールディングスの話題をお届けしよう。

スポンサーリンク

ゲオホールディングス、営業利益は43.8%増

8月10日、ゲオホールディングスは2024年3月期・第1四半期(2023年4月1日~2023年6月30日)の連結業績を発表した。同期の売上高は前年同期比31.1%増の1,067億2,500万円、本業の利益を示す営業利益は同43.8%増の57億9,000万円、経常利益は同49.5%増の70億6,800万円、純利益は同59.1%増の48億2,800万円と大幅な増収増益となった。

同期は、新型コロナウイルスが感染症法上の「5類感染症」へ変更したことに伴い、経済活動は正常化に向けて再開し始めるなど、景気の持ち直しへの期待感が芽生えた。しかし、その一方で、ロシアのウクライナ侵攻など地政学的リスクの長期化や資源・原材料価格の上昇、急激な円安による為替レートの変動、世界的なインフレに伴う政策金利の引き上げなどによる経済減速も懸念されるなど、依然として先行きは不透明な状況が継続した。

このような状況下、ゲオホールディングスは感染再拡大防止のための自主的な取り組みを継続し、消費者や従業員の安全に十分に配慮しながら商品・サービスの提供を行い、「豊かで楽しい日常の暮らしを提供する」ことを目指した。

まず、リユース系リユース商材では、リユース衣料・服飾雑貨の売上が想定を上回る好調を示し、業績に寄与した。物価高騰に伴う「生活防衛策」としてのリユース需要の高まりや、認知拡大により消費者にとって購買時の選択肢の一つになるといった消費スタイルの変化が、リユース衣料・服飾雑貨の好調をもたらしたと見られる。その結果、リユース系リユース商材全体の売上も拡大した。

一方、メディア系リユース商材では、リユースゲームソフトの売上が好調だった。近年は、旧作ゲームソフトの購入においてもダウンロード版の普及が浸透しており、リユースゲームソフトの売上は減少傾向となっていたものの、人気ゲームソフトのロングヒットや、新作ヒットタイトルの前作需要創出がリユースゲームソフトの売上増加をもたらしたものと見られる。また、リユースゲーム機器本体も、家庭用ゲーム機「PlayStation 5」本体の流通量増加やヒットタイトルに恵まれ、売上が増加した。スマートフォンやタブレット端末等のリユース通信機器については、市場の活性化に加え、新品価格の高騰による「節約志向」がリユース通信機器の販売に好影響をもたらし、メディア系リユース商材全体の売上も増加することとなった。

新品商材については、昨年末より家庭用ゲーム機「PlayStation 5」本体の供給が改善し、さらに新作タイトルのヒットにも恵まれ、売上は増加した。

なお、同期は外国為替相場の大幅な円安進行により、為替差益9億6,600万円を計上した。

生活防衛銘柄の一角として注目

8月10日、ゲオホールディングスは2024年3月期・通期(2023年4月1日~2024年3月31日)の連結業績予想について、売上高で前期比6.0%増の4,000億円、本業の利益を示す営業利益で同22.4%増の130億円、経常利益で同13.2%増の135億円、純利益で同23.2%増の70億円と従来予想(5月12日公表)を据え置いた。

しかしながら、通期の連結業績予想に対する第1四半期の進捗率は、営業利益で44.5%、経常利益で52.4%、純利益で69.0%に達しており、今後上振れる可能性もないとはいえない。「生活防衛銘柄(リユース関連銘柄)」の一角として、ゲオホールディングスの業績や株価を引き続き注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

特集:生活防衛銘柄
タイトルとURLをコピーしました