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エービーシー・マート、独自のビジネス戦略で成長。株価は昨年来高値、既存店売上高は24カ月連続プラス

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(画像= La Caprese)

2024年3月12日、東京証券取引所でエービーシー・マートの株価が一時2,895円まで買われ、昨年来高値を更新した。2023年2月10日の安値2,177円から13カ月で33.0%の上昇である。

エービーシー・マートは、靴や衣料品、雑貨などを取り扱う店舗をチェーン展開する企業である。その源流は、1985年に東京都新宿区にて創業した「国際貿易商事」にまでさかのぼる。同社は1986年のHAWKINSとの国内総代理店契約を皮切りに、靴や衣料で定評のある海外ブランドとの提携や組織改編等を推進、同時に新たな市場としてビジネス・ウォーキングシューズ市場を開拓(1998年)するなど独自のビジネス戦略で成長を遂げてきた。近年は、デジタルインフラの活用やグランドステージと複合業態店舗の拡大、スポーツシューズとスポーツアパレルを含めたライフスタイルカジュアルの拡充に対応し、国内外合わせて1,490店舗を運営している(2023年11月30日時点)。

後段で述べる通り、エービーシー・マートが公表した、①2024年2月期・第3四半期(2023年3月1日~2023年11月30日)の連結業績が大幅な増収増益を示したほか、②既存店売上高が24カ月連続で前年同月を上回る……など好調な業績が株価のサポート要因となっている。

今回はエービーシー・マートの話題をお届けしよう。

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エービーシー・マート、純利益は44%増

1月10日、エービーシー・マートは2024年2月期・第3四半期(2023年3月1日~2023年11月30日)の連結業績を公表した。同期の経営成績は、売上高が前年同期比21.0%増の2,523億2,800万円、本業の利益を示す営業利益は同43.3%増の415億3,300万円、経常利益は同45.7%増の432億7,500万円、純利益は同44.0%増の298億700万円と大幅な増収増益を記録した。

同期のシューズ業界は、世界的なインフレの進行とインバウンド需要の高まりにより、新型コロナウイルス禍に縮小したマーケットが回復基調で推移した。エネルギーや食料品等の価格上昇により、消費者の価格志向の二極化(消耗品と嗜好品)が鮮明となったが、トレンド商品としての靴需要は一定程度増加傾向を示した。新作スニーカーを中心としたスポーツ系カジュアルに加え、旅行やレジャーなどアウトドア系ファッションが商品トレンドとなって、需要が拡大した。

このような事業環境下、エービーシー・マートは、デジタルインフラの活用やグランドステージと複合業態店舗の拡大、スポーツシューズとスポーツアパレルを含めたライフスタイルカジュアルの拡充に対応した。同期は国内外合わせて27店舗、累計期間で72店舗の新規出店を実施し、グループの店舗数で1,490店舗となった。

なお、主要セグメントの概況は以下の通りである。

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国内:SNSを中心としたデジタル広告を活用

国内の売上高は前年同期比22.0%増の1,753億3,500万円、セグメント利益は同39.6%増の346億2,500万円と大幅な増収増益となった。

同期は、まず、販売戦略としてSNSを中心にデジタル広告を活用した施策等により、新作スニーカーの単品訴求を行い、オンラインと実店舗においてプロパー販売の強化を図った。世界各国でインバウンド需要が高まる中、日本、韓国、台湾、ベトナムの4カ国で新作シューズを同時リリースするなど、プロモーション活動をグローバルに展開することで、「ABC-MART」が主体となるトレンド発信を推進した。商品展開においては、日本限定や「ABC-MART」限定で発売となった新作スニーカーと、レジャーやアウトドア向けにトータルコーディネートが提案できるシューズとアパレルの販売に注力した。

業態変更を目的としたスクラップアンドビルドと好立地への移転を実施

国内の店舗展開では、郊外のショッピングセンターを中心に11店舗の出店を行い、累計期間で40店舗の出店を行った。また、同期は業態変更を目的としたスクラップアンドビルドと好立地への移転を行ったため、累計期間で30店舗の閉店を実施した。これらの結果、同期末時点の国内店舗数は1,094店舗となった。

同期においても、トレンドアイテムとスポーツアパレルの拡充を図り、「GRANDSTAGE」と「ABC-MART SPORTS」の出店を拡大した。また、既存店では増床を中心に49店舗の改装を実施した。その結果、同期末時点で「GRANDSTAGE」は84店舗、「ABC-MART SPORTS」は103店舗となった。

一方、複合業態店舗数は99店舗となった。「GRANDSTAGE」と連結子会社が運営するスポーツセレクトショップ「OSHMAN’S」との共同出店は、西日本を中心に出店を進め7店舗となった。

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海外:セグメント利益は66.7%増

海外の売上高は前年同期比18.6%増の778億8,800万円、セグメント利益は同66.7%増の68億8,000万円と大幅な増収増益となった。

同期の海外店舗展開は、韓国21店舗、台湾7店舗、ベトナム4店舗の計32店舗の新規出店を行った。2023年9月30日現在の海外店舗数は、韓国321店舗、台湾63店舗、米国7店舗、ベトナム5店舗で計396店舗となった(閉店 韓国8・台湾11)。

海外の業績面では、韓国、台湾、米国のいずれも増収増益となった。為替は円安基調で推移した。円ベースで見ると、韓国の売上高は前年同期比16.4%増の482億1,800万円、台湾の売上高は同23.6%増の88億2,200万円と大幅に伸長した。一方、米国はインフレの長期化により依然市況は良くないものの、EコマースやDTC(D2C)の販売が比較的好調で、売上高は同20.9%増の207億300万円と伸長した。

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既存店売上高は24カ月連続プラス

1月10日、エービーシー・マートは2024年2月期・通期(2023年3月1日~2024年2月29日)の連結業績予想について、売上高で前期比14.5%増の3,322億円、本業の利益を示す営業利益で同19.9%増の507億円、経常利益で同19.9%増の520億円、純利益で同17.3%増の355億円と従来予想(2023年8月21日公表)を据え置いた。

なお、冒頭でも述べた通り、エービーシー・マートが3月5日に公表した2024年2月の既存店売上高は前年同月に比べ18.1%増と24カ月連続のプラスを記録した。2月は在庫一掃セールによって集客が増加したことで好調に推移した。商品別では春物の新作スニーカーやアパレル、新生活に向けた学需のローファーが好調だった。

引き続き、エービーシー・マートの業績や株価を注視しておきたい。■

(La Caprese 編集部)

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