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エッセイ:2023年、家計管理はメリハリが大切!?

2023年,日本,予測
(画像= Canva、La Caprese)

2023年の景気は、「悪くなる」が44.9%で「良くなる」(12.1%)を大幅に上回った。――博報堂生活総合研究所が、全国の20~69歳の男女3,900人を対象に実施した調査『2023年 生活気分』で、そのような結果が明らかになった。

ちなみに、1年前に実施した同調査では来年(2022年)の景気について「悪くなる」との回答は20.2%であった。今回は前回比で実に24.7ポイントの大幅な増加である。博報堂生活総合研究所によると、2015年の調査開始以降で過去最多ということだ。その一方で、「良くなる」(12.1%)は前回(29.9%)から17.8ポイントの大幅な減少となった。景気の先行きに悲観的な見方をしている人が多いことが浮き彫りとなった。

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景気が悪くなると思う理由のトップは「物価上昇の継続・加速」

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出典:博報堂生活総合研究所

2023年の景気が「悪くなる」と思う理由については「物価上昇の継続・加速」が41.5%でもっとも多かった。一方、「良くなる」と思う理由では「コロナ禍の収束・沈静化」が28.7%でトップとなった(いずれも自由回答)。コロナ禍の収束による景気好転への期待がある一方、物価上昇がそれを上回る影響を及ぼし、来年も景気が悪くなると考えている生活者も多い。

また、来年の「(自分の)家計状態」についての設問に対しては、「変わらない」との回答が53.0%で前回(67.0%)から14.0ポイント減少した。その一方で、「悪くなる」との回答は36.8%で前回(18.9%)から17.9ポイント増加した。

「ふだんの食事」を節約、一方で「旅行」「貯金」「外食」への意欲は高い

「来年お金をかけたいもの(全25項目、複数回答可)」の設問に対しては、「旅行」の27.2%を皮切りに、「貯金」(22.3%)、「外食」(19.5%)が上位にランクインした。興味深いのは、上位2項目が今年(2022年)を上回ったことだ。特に「旅行」は11.2ポイントの増加となっている。他にも、7位の「レジャー」(5.3ポイント増)、8位「老後の暮らしの準備」(3.9ポイント増)、6位「株など投資」(2.4ポイント増)などが増加している。

一方、4位の「ふだんの食事」は今年の29.9%に対し、来年の意向は18.9%と低く、11.0ポイントの減少となった。物価上昇の影響などで日常的な節約/貯蓄への意識が高まりつつも、コロナ禍の規制緩和によりソト向き消費への意欲は高い状態にあることが読みとれる。

2023年に始めたいことは「運動・体操・筋トレ」、やめたいことは「無理しての人付き合い」

2023年に「始めたいこと」についての設問では、「運動・体操・筋トレ」が28.1%ともっとも多く、次いで「投資・資産運用」(27.0%)、「副業」「貯蓄」(ともに24.3%)となった。

一方、2023年に「やめたいこと」についての設問では、「無理しての人付き合い」が30.2%ともっとも多く、次いで「無駄遣い・衝動買い」(30.1%)、「食べ過ぎ・飲み過ぎ」(27.5%)が続いた。

今回、博報堂生活総合研究所が発表した『2023年 生活気分』では、2023年の景気について「悪くなる」が過去最多を更新した。そうした中、「ふだんの食事」など日常的な節約/貯蓄への意識が高まる一方で、「旅行」「貯金」「外食」などにお金をかけたいという意欲も強まっている傾向もみられた。そこからは、物価上昇等の影響から家計を守りたいという意識と、コロナ禍の規制緩和による消費意欲の高まりが混在する「生活者像」が浮かび上がってくる。また、「運動・体操・筋トレ」等で体力の向上を図りたいと考える一方で、「無理しての人付き合い」等を抑制しようという意識が高まっているのも大きな特徴だ。

2023年の家計管理は、節約するところは節約し、その分を旅行や貯金(貯蓄)、外食などに回すといった「メリハリ」を重視する傾向にあるといえそうだ。■

(La Caprese 編集長 Yukio)

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